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本場のたこ焼きをインドネシアへ/ニッシンコーポレーション

株式会社ニッシンコーポレーションは、インドネシアで独自ブランドのたこ焼き店を運営しています。日本でFC事業を中心に展開している同社が、海外で独自ブランドを立ち上げた経緯などについて河野信隆 代表取締役社長にうかがいました。

弊社は、ダスキンのフランチャイズ(FC)事業からスタートした会社です。清掃事業を皮切りに、ミスタードーナツのFC店も複数運営してきました。

これまで培ってきた経験を活かし、FCビジネスを更に発展させようと、2012年に新たな飲食FCに加盟し、焼肉や中華料理などの業態に進出しました。時流に合わせ、業態変換を重ねながら40年以上FC事業を継続しています。また、オリジナルブランドも経営しており、本社を構える山口県のほか、福岡県・広島県でも店舗を展開しています。

10数年前に中国を訪れた際、私は現地でたこ焼き屋に並ぶ行列を見ました。試しに食べてみたところ、海外ではよくあることですが、似て非なる食べ物で非常にがっかりしてしまいました。

しかしそれがきっかけで、たこ焼き事業を始めようと思い立ったのです。
中国から日本を訪れる中国人は年々増えていますから、本場大阪のたこ焼きを食べた経験がある人も多いはずです。そのため本物のたこ焼き店を中国に出店したら、喜んでいただけるのではないかと考えました。

これまで、たこ焼き店の運営経験はありませんでしたので、社員を数か月大阪に派遣し、調理法や店舗運営のフローを一から学ばせました。
そして中国で現地法人を立ち上げ、「たこ焼き大和屋(Takoyaki Yamatoya)」の商号で2014年に1号店を出店。その後は直運営で8店舗、FC店も含めると12店舗まで増えました。

店舗の一部は、イオンショッピングセンター内に出店していました。
イオングループは、インドネシアでも店舗展開を進めていたため、お誘いをいただき、2015年にはインドネシアにも出店したのです。

インドネシアでの店舗立ち上げは弊社社員が担当し、営業が軌道に乗ったところで、一度マレーシアの企業に運営を任せてみました。しかし、レシピや接客などが指示通りに行われず、サービスの質が下がってしまったのです。
そこで現地法人として「PT Nissin Asean Indonesia」を設立し、現在は、事業委託する形で営業を継続しています。

インドネシアでも店舗を増やしていたところで、コロナ禍に突入。閉店しなければならない店舗もあり、断腸の思いでスタッフを解雇しました。
しかし意外だったのは、私たちが思い悩んだ程、スタッフが解雇を重く捉えなかったことです。解雇手当として用意した1ヶ月分の給与も断られてしまいました。

日本は人口減少に伴って市場が縮小していますが、インドネシアのマーケットは爆発的に成長し続けており、所得も上がってきています。求人も多く、またすぐに別の職に就くことができるのでしょう。

現在も営業を続けているAEON Mall Jakarta Garden City店は、ジャパンフードコートの中にある15平米ほどの小さな店舗。テイクアウトのみの対応ですが、座って食べる小さなスペースが用意されています。

インドネシアで提供しているたこ焼きは、もちろん材料は全てハラール原料で揃えています。
インドネシアで私が見た「たこ焼き」風の食べ物は、キャベツが入った、お好み焼きをボール状にしたようなもので、カチカチに固く焼かれていましたが、日本で大阪のたこ焼きを食べたことがある人なら、弊社のたこ焼きは本物だと分かっていただけることでしょう。

「外はカリッと中はトロッと」が本場のたこ焼きの魅力です。
お客様の目の前で作り、出来たてをお召し上がりいただけることも魅力の一つ。作り置きしたたこ焼きとはおいしさが段違いなのです。

ただし、トロトロの中身を生焼けと誤解されることがありましたので、現在は、注意書きなどで分かりやすくお伝えしています。
もちろん「とても熱い」とお伝えすることも忘れてはいけません。

味付けは、サンバルソースなども用意していますが、やはり「ハラールたこ焼ソース」味が一番人気。
現地の好みに合わせ、食感はクリスピー感を強めに設定しています。

ここ数年は渡航が自由にできませんでしたが、アフターコロナを見据え、現地の嗜好に合った新たなメニューなども考えていきたいですね。

日本の飲食店は、接客サービスの質が他国とは全く異なると思っています。
小さな店でも、食事を提供するだけでなく、お客様に気持ちよく過ごしていただくことを念頭に置いて接客しています。

声をしっかり出して元気よく笑顔で挨拶し、店の前にゴミが落ちていたらすぐに掃除をする。日本では当たり前のことですが、それらを現地スタッフに理解してもらうことは簡単ではありませんでした。
しかし、粘り強い教育と、お客様に喜んでいただいた経験などからスタッフ自身が気付く時が来るのです。

将来的には、この接客方法の教育ノウハウを蓄積し、質の高いサービスを提供する日本食レストランを海外で展開したいと考えています。

<事業者概要>
事業者名:株式会社ニッシンコーポレーション
本社所在地:〒751-0818 山口県下関市卸新町7-1
事業内容:環境衛生事業/高齢者専門宅配弁当事業/フードサービス事業(飲食店経営)/フランチャイズチェーン加盟店の募集及び加盟店の経営指導
公式サイト:株式会社ニッシンコーポレーション


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