日本最古の畳商が作るムスリム向けの畳礼拝マット「inori」/株式会社カンベ
創業100年を超える老舗畳資材商である株式会社カンベが、日本の畳でムスリム向けの礼拝マットを開発。大阪万博の礼拝用備品としても採用されました。開発の経緯や今後の展望などについてうかがいました。
弊社は、全国約500社の畳業者に対して資材や道具類を提供する畳専門の卸売業者です。日本で最も古い歴史があり、業界最大手として知られています。
畳の国内需要は減少傾向にあります。弊社は外国人による日本文化に対する注目の高さや人気を見込み、輸出やインバウンド向けの販路開拓を積極的に進めてきました。中でも注目しているのは、敷物という共通点からムスリムが礼拝時に使用するマットです。
ラグビーワールドカップが開催された2019年当時、インバウンド需要はかつてない盛り上がりを見せました。また翌年にはオリンピック開催を控えていたこともあり、社内ではインバウンド特需に向けた礼拝マット開発プロジェクトが熱気を帯び始めていました。
とはいえ、当時はイスラム教に関する知識も人脈も皆無で、完全に手探りのスタート。大切なお祈りに使うものだけに失礼があってはならないと、京都ハラール評議会に助けを求めました。
ムスリムの文化や考え方、規律について一から教えを乞い、畳マットの監修もお願いすることにしたのです。
どんな柄が好まれるのか、仏教色が出ていないかなど、意見を聞きながらサンプルを作成。モスクなどで実際に使っていただきながら改良を重ねていきました。
しかしその後、世界を席巻したコロナパンデミックによって、開発プロジェクトは大きな変更を余儀なくされました。国内で緊急事態宣言が発令されたことにより、モスクのイベントが軒並み中止に。試用いただく機会にもなかなか恵まれず、開発期間は当初の予定から大幅に延びてしまいました。
しかしその苦労の甲斐もあり、2025年に開催される大阪万博の礼拝施設において、当社の畳マット「inori」が採用されることになりました。
万博という貴重な機会に、inoriによって訪日ムスリムの皆様をおもてなしすることができると思うととても嬉しいです。ムスリムと日本をつなぐinoriによる礼拝体験は、日本がムスリムフレンドリーな国であることを知ってもらえるチャンスだと捉えています。
ムスリム人口は、まもなく宗教別で世界最多となります。
観光庁がムスリムアクションプランを策定するなど、ムスリム対応は日本が真の観光立国となるための必須条件となるでしょう。
「inori」は、訪日ムスリムへのおもてなしに最適な商品だと自信を持ってお勧めします。多くのホテルや旅館など宿泊施設においても、備品として導入いただければと思います。
日本人は礼儀正しく、マナーやルールを尊重する国民性があります。このことは宗教上の戒律を守るムスリムと比較しても、非常に共通点が多いと感じています。
「inori」が、日本とムスリムをつなぐ架け橋になれば、こんなに嬉しいことはありません。
まだ販売を始めたばかりですが、将来的には世界中のムスリムにお届けできればと考えています。
<事業者概要>
事業者名: 株式会社カンベ
本社所在地: 〒601-8115 京都府京都市南区上鳥羽尻切町5番地
事業内容:畳資材卸売業
公式サイト: 株式会社カンベ
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