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ハラール醤油でムスリムに和食の楽しみを/福島県醤油醸造協同組合

福島県内の醤油醸造所が集い、設立された福島県醤油醸造組合。組合設立の経緯や、ハラール認証を取得した「ハラールしょうゆ」について、工場長の紅林氏に伺いました。

福島県醤油醸造協同組合は、1964年に設立した日本初の生揚醤油(きあげしょうゆ)協業工場です。生揚醤油は、大豆、小麦、食塩を原料として諸味を発酵させた後、搾って液汁部分を回収したものです。その後、粕や不純物をろ過してから流通させています。

福島県内には小さな醸造所がたくさんあり、大手メーカー製品とは異なる個性的な醤油を造っています。
福島の醤油を未来へ受け継ぐために工業的な視点で近代化しようと、県内の醤油醸造者が集まり、組合を結成。そして生揚協業工場を建設したのです。日本が高度経済成長期を迎えた頃のことでした。

組合で生揚醤油を協同生産し、それを基に各醸造所が、色・味・香りなど個性様々な醤油製品を製造しています。このスタイルは「福島方式」と呼ばれており、現在、県内の醤油醸造所58戸が所属しています。

諸味タンク

組合の主な役割は生揚醤油の製造ですが、最終工程まで行なっている製品もあります。そのうちの一つが、日本アジアハラール協会(NAHA)のハラール認証を取得した「ハラールしょうゆ」です。
多くの外国人観光客が日本を訪れるようになり、ムスリムの観光客も増えてきたことを受け、2016年に「ハラールしょうゆ」を開発しました。

厳選した国産原料のみを使用しており、アルコール・みりんを使用せず、生揚醤油に火入れをしただけの本格醤油です。海外の方にも受け入れやすいプレーンな仕上がりで、20L、1.8L、150mlのラインナップがあります。

認証取得にあたって、工場内に豚由来の原料が存在することが許されませんので、植物由来の原材料に全て置き換えていきました。この対応の中で最も気を付けたのが、従来製品と比較した味の変化です。試行錯誤の末に、製品化へと漕ぎ着けることができました。幸い、認証取得においてその他に問題はなく、スムーズに取得できました。

先日、NAHAの監査員の方から、渋谷にあるハラールすし店で、当組合の「ハラールしょうゆ」が使われていると聞き、とても嬉しく思いました。もっと多くのお店にこの「ハラールしょうゆ」を置いてほしいという、ありがたいご要望もありましたので、拡販に努めたいと思います。
そのほか、マレーシアで当組合の「ハラールしょうゆ」を使っているラーメン店もありますし、ムスリム留学生のためにと、大学の学生食堂からの発注もありました。

コロナ禍でインバウンドがストップしたことから、当初思い描いたほど「ハラールしょうゆ」の売上を伸ばすことは出来ていません。しかし、少なからずムスリムに和食を楽しんでいただくことに貢献できたことを、誇らしく思っています。

観光庁 訪日外国人の消費動向 2019年(複数回答)

観光庁が訪日外国人に対して行なった調査によると、海外の方が日本で最も楽しみにしているのが「日本食を食べること」です。
日本を訪れたムスリムの方々にも、ぜひこの「ハラールしょうゆ」で和食を味わっていただきたいと思います。

<事業者概要>
事業者名:福島県醤油醸造協同組合
所在地:〒969-1404 福島県二本松市油井字蓑掛10番地
事業内容:醤油・調味料の製造販売
公式サイト:福島県醤油醸造協同組合


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